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初心#3 [アルペンスキー]

私は2本目の最終走者。
私が滑り終わればレース終了。
スタート付近には、コース係が撤収の準備のために集まってきていた。

その前で、私はスタートしたのだが
その多くの方から声援をもらってのスタートだった。

「がんばれー」

それは、明らかに大声援としてスタート左側から聞てきた。

(応援されている。がんばろう)

そして、4旗門をすぎ、1本目の道にかかると
右側からも複数の声援が聞こえた。

それほどスピードにのってはいないとはいえ
これほどの声援が聞こえるとは正直びっくりした。

こんな舞台で、声援の中滑るとは思っていなかったので
すべりながらも気持ちが高揚した。

2本目の道も過ぎ
斜度が落ち着いたあたり
(インスペクション時からある程度攻めることも可能だと
思っていたあたり)で

そこでもコース左側から声援が聞こえた。

正直、大会中の声援というものは
聞こえるのか定かではなかったし

そもそも選手というのは自分のためにも既に精一杯がんばっているんだから
声援ががあるからといって、それ以上がんばれるというものでは無いと思っていた。

だが、こういったバーンがあれた状況。
攻めることも大変になっている。

自分を喚起するために「声」をだして滑っている私であったが
周りからの声援はそれをさらに後押しするものであった。

「がんばらねば、攻めなければ、」

そう思った。

完走目標ではなく、タイム、順位、ポイント
といったものを目指した滑り。

その気持ちを、声援はさらに後押ししてくれた。

声援によって、きっとエンジン始動は、
孤独ですべるより、より早くかかったはずだ。

やられながらも滑った。

自分としては攻めた。。


攻めることで、荒れているコースのなかでのリスクはあがった。

そして、、
やられそうになっても持ちこたえてあらためて攻めた。

が、それは
非情にも
今回は、マイナスに作用した。

落とされて、持ちこたえて入ったが
次の旗門で体が周り転倒

外側に貯まった雪の中に体が落ちた。


立ち上がろうとするが

貯まった雪に足をとられ、再度転ぶ。


あとで、ビデオで見たのだが、これらの時間はたいした時間ではない。

でも、自分としてはいろいろやって、立ち上がったのに立てなかった。
いろいろしたつもりなので、長い時間もがいたような記憶がある。

そういった感じだった。

そして、すぐ
「スイッチバック禁止」
無駄に、そんなことが頭をよぎった。

次の旗門の真横より
下に落ちているかな?


そこで私は、
「トキ」
を選択してしまった。


よく考えれば、私は最終走者であり、
「スイッチバック禁止」の理由である「次の走者の安全性」は犯していない。

そもそも、横移動で二蹴りぐらいでいけたのでスイッチバックではなかったかもしれない。

しかし、転倒したその瞬間にそこまで考えることができなかった。


そのときは、その前のターンを攻めた故の失敗ということで
妙に納得してしまった。

そもそも、私は多くレースにでているのだが転倒する経験がほとんど無い。

あわててしまったのかもしれない。。




はーー
がんばったんだけどなー

一応せめたからなぁ。。


でも、しょうがない。

そんな風に納得して
降りた。。。


すぐ下に岩谷さんがいた。

「なんで滑らなかったの?」


(そうだよなぁ。。滑れたな、、)




ゴールまで降りた。
片桐選手が、うれし泣きしていた。
「おめでとう」
と握手した。


そして、自分の荷物をとりに戻るために、一人でリフトに乗った。

リフトからは、昨年の国体のコースが見えた。

「去年は、あのコースでがんばったなぁ」

リフトに一人で乗りながらいろいろなことを回想した。

「ゴールまで行く気持ちが一番強い選手」
だったという自信。。

(今回はあったのだろうか?)

そう思うと、自信がなくなっていた。
国体時の気持ちで滑っていたら、もう一度立ち上がって滑っていたのではないか?

今回は、妙に自分で納得してしまってがんばりが足りなかったのではないか?



そう思った。

初心を忘れてしまったのかな

そんなことを思った全日本二本目トキであった。


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